今日から4月、新しい年度となり皆さんの環境も大きく変化された方も多いのではないでしょうか?
大学に通い始めた、社会人となった、慣れない部署に異動になった、昇進して部下を持つようになった、定年退職して第2の人生をスタートした・・・・等々
その様なキャリアの変化や人生の節目にあたり、必ずしも嬉しいことばかりではなく、想像していたのと違うとか、不安に駆られることも多々ありますね。
今日はそんな時に少し勇気や希望を持てるような考え方についてお話します。
一般的なキャリア形成の考え方
昔、ビジネスで成功した人のキャリアを調査したところ、そのターニングポイントの8割が、本人の予想しない偶然の出来事によるものだったそうです。これを聞いて驚かれた方も多いでしょう。一般的には「夢」や「目標」を持って、それに向かって「計画」を立てて、1つ1つスキルや経験を身に着ける。それがキャリアをアップする一番大切なことで、それを積み重ねることでビジネスや人生で成功するための近道である。そう考えるのが普通ですよね。それを真っ向から否定する考え方なのですから。
しかし、近年急速に社会のグローバル化が進み、IT技術の進歩が目覚ましい中、未来に何が起こるのか予想することは難しくなっています。社会環境や企業の浮き沈みは、個人の意思でコントロールできるものではありません。どんなに綿密な人生設計をしたところで、その通りに行くことはまずないのではないでしょうか。そのような時代背景で、自分が掲げた目標や目的に固執すると、目の前に訪れた想定外のチャンスを見逃してしまう、かも知れないということです。
計画的偶発性理論の3つの骨子
あえて明確なゴールを定めず、現在に焦点を置いてキャリアを考える。これを「計画的偶発性理論」と呼びます。1999年に心理学者のジョン・D・クランボルツ教授によって発表されたキャリア理論です(冒頭の写真の人です)。
計画的偶発性理論は、次の3つを骨子として成り立っています。
1.予期せぬ出来事がキャリアを左右する
2.偶然の出来事が起きたとき、行動や努力で新たなキャリアにつながる
3.何か起きるのを待つのではなく、意図的に行動することでチャンスが増える
個人のキャリアの8割は偶然から作られるとは言え、ただそれが起きることを待っているだけでは、キャリアは広がりません。予期せぬ出来事が起きた際に行動できるだけの準備をしたり、偶然の出来事に遭遇すべくフレキシブルに行動したりすることで、チャンスが生まれるのです。
Goalについての扱い
計画的偶発性理論では明確なゴールを定めないように聞こえますが、目標を立てること自体が否定されているわけではありません。目標に固執して可能性を狭めるより、目の前のチャンスに気づけることがキャリアの成功につながるとされています。例えば、「絶対に心理カウンセラーになる」と決めるより、何か人に「希望や勇気を与えられるような仕事がしたい」と考えたほうがチャンスは巡りやすいのではないでしょうか。
目標や計画を立てるというより「目指したい方向性」を持っている、ということが大切かも知れません。興味関心事を明確して行動する方が、情報は手に入りやすくなるでしょう。漠然とでいいのでどんなことをしたいのか、何を目指したいのか決めておくことをおすすめします。
昔の人は夜間の周りが見えない所で移動する時には「北極星」を目印にして進んだと言われています。もちろん「北極星」は人によって違うでしょうし、時間の経過や経験を経る中で変化することもあるでしょう。むしろ変化することを前提にあなたにとっての「北極星」を言葉で明確化して常に意識していることが「計画的偶発性理論」を実践する上で有益であろうと思います。
キーとなる5つの行動特性
計画的偶発性理論では、成功するキャリアを築くために、偶発の出来事が起こるのを待つのではなく、みずから引き起こすべく行動することがポイントとなります。具体的には、以下の5つの行動特性を持つ人にチャンスが訪れやすいと考えられています。
好奇心(Curiosity):新しいことに興味を持ち続ける
持続性(Persistence):失敗してもあきらめずに努力する
楽観性(Optimism):何事もポジティブに考える
柔軟性(Flexibility):こだわりすぎずに柔軟な姿勢をとる
冒険心(Risk Taking):結果がわからなくても挑戦する
起きた出来事や周囲の変化を意識し、受け止める姿勢がキャリアの成功には大切です。これは、新しい出来事や成功体験ばかりではなく、失敗体験にもいえることで、出来事を前向きに捉えることが今後のチャンスへとつながるでしょう。
出会いに関しても同様のことがいえます。たまたま連絡した友人、街で出会った人、SNSでつながった人など、誰から良い知らせがもたらされるかはわかりません。偶然の出会いこそ大切にしたいですね。
偶然の出来事や出会いを必然へと変えるために最も大切なことは、自分が遭遇した出来事に関心を持つことです。
偶然の出来事は、起きた時点ではどのような結果をもたらすのかわかりません。未来が予想できないほど変化の激しい時代において、用心しすぎるよりも一歩を踏み出す挑戦をしてみましょう。
まとめ
計画的偶発性理論で偶然をチャンスに変える。キャリアの8割が偶然の出来事によると考える計画的偶発性理論は、ただ待っているだけで良いというキャリア理論ではありません。偶然という形で舞い込むチャンスを確実なものとするには、自分自身の行動する力が必要でしょう。広い視野を持ち、柔軟に対応できるように準備をして、偶然の出来事をチャンスにしていきましょう。
〆
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